マイボートでアマダイを釣ろう! その3 [季節を遊ぼう!ゆる釣り部]

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みなさん、釣りは好きですか? 釣りっていうと、いろいろな道具を揃えたり、仕掛け作りが難しかったりと、ちょっと面倒臭い遊びだと思われるかもしれない。実は私もそう思う。一匹でも多く釣るための張りつめた緊張感とかも大の苦手だ。
でも釣りっていうのは、それこそ魚の種類以上に釣り方があり、その中には気を張らないでできる“ゆるい釣り”もたくさんあるのだ。このコラムでは、そんな季節ごとのゆるい釣りとその周辺模様を紹介していきたいと思う。

text by 玉置 豊

アマダイ、再チャレンジ!

はい、前回からの続きです。

「ゆる釣り部」と名乗っている割りには、真冬の海でアマダイを手巻きリールで釣るという全然ゆるくない釣りに挑んだのだが、結果は同船した二人がアマダイ五目釣りとなった中、私だけアマダイ“以外”五目になるという、他人事とだったらとてもおもしろかったけれど、当事者としてはちょっと格好つかない展開となってしまった。格好つける必要は別にないんだけどね。

鉄は熱いうちに打て! そしてアマダイは寒いうちに釣れ! という格言があるように(信じないでください)、アマダイ釣りシーズンである冬が終わってしまう前にリベンジすべく、今回もボートオーナーの相模さん(仮名)に船を出してもらった。ちなみに前回大きなアマダイ、ホウボウ、オニカサゴという赤い魚の大三元を決めてくれた坂さん(本名)は都合がつかなかったので、かわりに戸塚さん夫婦(仮名)が参加。別に坂さんが私の分まで釣ってしまうから呼ばなかったとか、そういう生臭い話ではない。

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待っていろ、アマダイ。

天気はいいけれど風と波が結構ある海をどんどん突っ走って、前回アマダイが釣れた江ノ島沖のポイントに到着。

私、今日はアマダイが釣れるまで帰らない所存でございます。

今日は道具が違うのだ

前回は初めてのアマダイ釣りということで、手持ちのカワハギ用の竿とリールでとりあえずやったのだが、さすがに人間二回目ともなると少しは学習するもの。

まず竿だが、前回使ったカワハギ竿は穂先が1センチ折れてしまい、それ以来その竿を見るのが悲しいので、今日はライトタックル用の6:4調子、錘負荷15号~50号、長さ1.8メートルというのを持ってきた。これがパリッとしたカワハギ竿とまるっきり違ってフニャフニャ。たとえ話がシモネタしか思いつかないので詳しくは書けないのだが、竿の根本からフニャっと曲がっていき、細かいアタリがとれそうにない。いきなり道具選択からして失敗か。

竿はそんな感じで不安いっぱいだが、リールはきっちり進化させてきた。リール本体そのものは前回と同じなのだが、ハンドル部分を別の一回り大きいリールから移植してきたのだ。このハンドルが違うだけで巻き上げの楽さが15段ギヤ付き自転車と空気の抜けたママチャリくらいに違う。水深80メートルからの巻き上げ、前回は“とっても苦痛”だったが、今回は“そこそこ苦痛”くらい。この差はきっと釣果にも響くはず。

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竿がフニャフニャ~。
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ハンドルがでかいぜ。


いきなり釣れてしまったアマダイ

エサにオキアミをつけた二本針の仕掛けを投入して、こまめに誘いをかける。しばらくしてトラギス、カレイ、ヒメコダイなどの定番外道が順調に釣れてきた。当初吹いていた風もどうにか収まって、江ノ島沖は絶好のコンディション。

心配されたフニャフニャの竿も、実際に使ってみたらこの竿の柔らかさがソフトな誘いを海中でしてくれているらしくアタリが多い。またそのアタリも手の感触だけでなく、竿の曲がり方などでとれるので、トラギスなどの小さなアタリも問題なくとれる。いいじゃないか、フニャ竿。そしてこの竿の一番のメリットは、魚が掛かると竿が大きく曲がるので、大物が釣れたみたいで気持ちがいいことだ。ヒメコダイでもアマダイ気分。

もうこれならアマダイが釣れなくてもいいかななんて思いつつ、「よし、またヒメコダイが掛かったぜ!」と竿の曲がりっぷりを楽しみながらリールを巻き上げると、あらあらアマダイが釣れていた。

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いえーい。

いきなり釣れてしまった船中一匹目のアマダイ。ちょっと小振りだけど立派にアマダイ。…立派といえば、写真を撮ったときには気がつかなかったのだが、よくみるとアマダイの腰から立派な膨張したブツが私の顔をめがけて飛び出している。立派すぎる。

これはナニかなとよく見てみたら、浮き袋が水圧の関係で飛び出したものだった。ああビックリ。

楽しいばかりが釣りじゃない

憧れのアマダイを釣り上げて有頂天になっていたときに悲劇は起きた。

好事魔多し。

船で釣りをしていると、釣った魚のおこぼれをもらいにカモメが近づいてくることがある。大抵はこちらがエサをやらない限りはちょっと離れたところでじっとしているものなのだが、この日のカモメは違った。

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戸塚さんの前でエサを待つカモメ。
あいつがあんな犯罪を犯すなんて…

食べておいしいヒメコダイを狙っていた戸塚さんが見事ダブルで釣り上げると、カモメが少しずつにじり寄ってきた。

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ヒメコダイ、これが美味しいんだわ。

プカプカと水面に浮かんだヒメコダイを戸塚さんが抜き上げようとしたその時、いままで大人しく鳥のくせに猫かぶっていたカモメの目がキラリと光った(気がした)。

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キラーン。

戸塚さんがヒメコダイを取り込もうとした瞬間、カモメはバサっと大きく羽ばたいて獲物に突進。クチバシで一匹のヒメコダイを掴んで飛び去った。心臓が止まるほどに驚いたのは戸塚さんだ。

しかし魚は釣り糸とつながったままだったため、カモメは魚をくわえたまま空中で停止。

正気に戻った戸塚さん、せっかく釣った魚をカモメなんかに盗られまいかと竿を引っ張る。

緊張した空気が流れる中、綱引きを繰り広げるカモメの船長さん。じゃなかったカモメと戸塚さん。

序盤は互角の勝負をした両者だが、勝負あり。やはり空中に浮いた状態では踏ん張りが効かなかったためか、カモメが諦めてヒメコダイを離したのだ。

ここでちょっと考えてもらいたい。

弾力のある竿と糸を介しての引っ張り合いをしている最中、片方が急に手を(クチバシだが)離したらどうなるか。

そう、考えるまでもないだろう。

ゆーとぴあ”のゴムパッチン芸よろしく、ヒメコダイが空中を吹っ飛んだ!

トビウオ以外の魚が飛ぶのを初めて見た。

いやそんな呑気なことをいっている場合ではない。

ヒメコダイだけではなくて、30号のオモリが一緒に飛んだのだ。

これがなぜか戸塚さんではなく、私の顔にめがけて一直線!

「あ、死ぬ!」と思うよりも先に、オモリは私の顔のすぐ横に着弾した。

風も波もない静かな海の上に、ガチーンというオモリが船にぶつかった衝撃音が響き渡る。

私の座っている位置がちょっと右にずれていたら、「カモメに殺された男」として歴史に名前を残したことだろう。

アマダイ祭り開催中

今日はそんなアメージングなトラブルもあったのだが、ここを無傷で乗り越えると、そこにはアマダイパラダイスが待っていた。カモメ殺人未遂事件から気を取り直して釣っていると、またすぐにアマダイが釣れてしまったのだ。

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まじでー。

まさかのアマダイ2匹。どうしよう、明日犬のウンコとか踏みそうな気がする。

その後も潮が止まって釣れない時間帯もあったのだが、場所を移動するたびに3匹、4匹とアマダイが釣れ続け、午後二時の沖上がりまでに本命のアマダイが私だけでなんと5匹、船中11匹という前回の苦労がなんだったんだという好釣果に恵まれた。ちょっとサイズは小さいけれどね。

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「癒される~」といいながらアマダイを連発した戸塚さん。
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やっぱり美しいよ、アマダイったら。


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これも船長のおかげでございます。
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ヒレが素敵すぎる。


お昼前からは風も波もピタッと止まり、年に数回しかないんじゃないかという好コンディションの中で本命のアマダイが連発。前回の釣りがアマダイ“以外”五目だったのに対して、今回はちゃんとアマダイ五目。そしてアマダイ五匹。いやあ、本当に幸せな一日だ。あの時、カモメに殺されないで本当によかった。

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本日の釣果。素晴らしく赤い。

念願のアマダイを食べよう

いつもは釣果を自宅に持って帰って食べるのだが、今日は戸塚さん夫婦の家で料理していただく事にした。一人でゆっくり食べるのもいいけれど、やっぱり釣ったみんなで食べるのが楽しいよね。特に一部ではカリスマ兼業主婦なんて呼ばれている戸塚夫人の料理なんだから、そりゃもう最高。本当はアマダイみたいな白身魚は釣った翌日に食べた方がうま味がでて美味しいんだけどね。

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新鮮な魚がそこにあるだけで嬉しい。
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アマダイの目の位置が好き。


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自宅では絶対につくらないようなカッコイイ料理が次々に登場。
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ハーブ焼き。アマダイ、身がウワサ以上に柔らかいね。


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ホウボウのアクアパッツァ。ドライトマトが味のポイントらしい。
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アクアパッツァの汁がもったいなかったので、パスタにしてもらいました。


やっぱりうまい。自分で料理をするのもキライじゃないけれど、人につくってもらう料理の数々はは、また格別のうまさでございました。

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食べきれなかった分は干物にしていただきました。
そりゃもう上品なお味。

と、アマダイも無事釣ったところで、自由奔放に書かせていただいたこの連載は終了となります。

この連載を今まで読んでくれた読者の方々、一緒に釣りにいってくれた友人達、釣り記事を書く機会を与えてくれたSo-net編集部様、本当にありがとうございました!


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