マイボートでアマダイを釣ろう! その1 [季節を遊ぼう!ゆる釣り部]

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みなさん、釣りは好きですか? 釣りっていうと、いろいろな道具を揃えたり、仕掛け作りが難しかったりと、ちょっと面倒臭い遊びだと思われるかもしれない。実は私もそう思う。一匹でも多く釣るための張りつめた緊張感とかも大の苦手だ。
でも釣りっていうのは、それこそ魚の種類以上に釣り方があり、その中には気を張らないでできる“ゆるい釣り”もたくさんあるのだ。このコラムでは、そんな季節ごとのゆるい釣りとその周辺模様を紹介していきたいと思う。

text by 玉置 豊

アマダイが釣りたい

前回、タチウオやらアジやらの光りモノの魚を釣ったので、栄養バランス的に今度はめでたい感じの赤い魚でも釣りたいなあと漠然と思っていたら、友人の友人という、どちらかというと赤の他人である逗子さん(仮名)から、「よかったら私の船でアマダイでもどうだね?」というお誘いをメールでいただいた。まあ実際はこんな文面ではないのだが、船のオーナーというと、どうしてもこういうイメージなのだ。膝の上でペルシャ猫を抱きながらブランデー飲んでいるようなね。そして財布にはドル紙幣。

アマダイはぜひ一回釣ってみたいと思っていた魚である。このありがたいお誘いに即座に食いつき、すぐに日程を調整し、逗子さんの船が停泊している逗子の海へと向かうことになった。

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途中のパーキングエリアでマグロ天丼を食べて、
脂肪という名の防寒着を着る。

今回の釣行メンバーはまず船の持ち主である逗子さん。逗子さんとは今日がほぼ初対面だったりする。そしてこの連載最多登場を誇る、冬でも氷河期でもハイテンションな坂さん。そして私という必然性のないパーティーだ。

逗子さんと坂さんはまったくの初対面だが、いきなり「好きなアイドルの違い」とかでケンカをはじめたらどうしようかと思ったが、そんなことはまったくなかった。

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逗子さん。写真からダンディーな感じが伝わるでしょうか。
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坂さん。写真からハイテンションな感じが伝わるでしょう。


ボートに乗りこもう

マリーナの桟橋に用意された逗子さんの船は、4人で乗るとちょうどいい感じの小型マイボートで、湾内でちょっと釣りを楽しむのには最適なサイズだ。マイボートっていっても私のボートじゃないからユアボートなんだけれどね。

しかしマイボート、実に羨ましい。マイホームよりもマイカーよりもマイケルよりも憧れてしまう“マイ”である。ところで埋蔵金とマイぞうきんはだいぶ違うなといま書きながら思った。いや、どうでもいいのですが。

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逗子さん所有のボート。

そんな憧れのマイボートだが、やっぱり自分で出船の用意をしないといけないので、それなりに準備が大変そう。普通、釣りで船に乗るときっていうのは、すでにエンジンが掛かっていて、あとは出航するだけっていう状態だけれども、これが自分の船を出すとなると、ガソリンを用意したり、コードをなんやかんやしたり、カバーをどうにかこうにかしたりしないといけない。

「海を走る船は陸を走る車みたいにはいかないからねー」という坂さんの言葉に、マイボートの夢は諦めた。

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出船準備が結構大変そう。慣れの問題だろうけどね。
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持っているけれどなかなか使われない私の小型船舶免許。


さあ、出船だ

ボートの準備ができたところでヨットハーバーを出発進行。本日の波の高さは1.5メートル、風は2~5メートル。このサイズの船だと沖釣りをするには、なかなかゆるくないコンディションである。

しかし前回のタチウオ、アジ釣りといい、今回のアマダイ釣りといい、“ゆる釣り部”を標榜している割りに真冬の沖釣りという全然ゆるくない釣りが続いているなあ。まあいいんだけど。

我々が目指すアマダイの漁場は、江ノ島沖の水深60~80メートルくらいの砂地。沖釣りはポイント選びがとても重要なのだが、この海を知り尽くしている逗子さんに任せておけばきっとバッチリだ。

玉置:「アマダイ、いままでにどれくらい釣っているんですか?」

逗子:「え、まだ一匹も釣ったことないよ。」

坂:「え!」

玉置:「ええ!」

逗子:「ええ。」

よくよく聞いてみたら、逗子さんはボート釣り歴は長いのだが、去年まで冬の間は釣りをしていなかったらしい。そのため冬の釣りモノであるアマダイは今シーズン始めたばかりなので、まだ勝手がわからないのだという。前にきたときに同行者が1匹釣っているので、この海にアマダイがいることはいるらしい。

とりあえずポイント選びは、アマダイを狙っている乗合船を探して、それを目標にすることとした。

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微妙に不安だ。
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アマダイの乗合船らしき船を発見!


道具は今日もアバウトだ

事前に釣り雑誌を読んで調べたところ、アマダイ釣りは2.4メートル前後の胴調子竿、PE3~4号を巻いた小型電動リール、60~80号のオモリという感じの道具で挑むようなのだが、そんなものは何一つ持っていない。特に小型電動リール、そんな高級品は我が家にありません。

そこで持ってきたのが、お正月に実家へ帰ったときに兄から譲り受けてきた1.8メートルのカワハギ竿、PE1号という細い糸を巻いた小型手巻きリール、30号のオモリ。“ライトタックル”というとカッコイイのだが、ようするにカワハギ用の道具一式だ。

1号の道糸に30号のオモリという組み合わせがポイントで、水深が深くても道糸が細ければオモリは軽めでもどうにかなるらしい。これに片天秤にフロロカーボン3号ハリスの二本針という、アジ用の仕掛けを一回り大きくしたようなやつでアマダイに挑む訳である。

あ、今回は釣りの専門用語が多く登場していますが、わからない部分はどんどん読み飛ばしていただければ幸いです。私もよくわかりません。

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兄から譲り受けたカワハギ竿。期待しているぜ。
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リールも普段カワハギで使っている小型両軸。


ちなみに元パチプロ、じゃなかったバスプロの坂さんは、「バスロッドにバス用リールでやってやる!」と張り切っている。逗子さんは「適当な沖竿に糸が何号かよくわからない両軸リール」だそうだ。なんだかユニフォームがバラバラの草野球チームみたいに自由な団体だ。

さあ、釣りスタートだ

アマダイのポイントと思われる、いや思いたい場所に着いたら船のエンジンを切り、パラシュートアンカーとかシーアンカーとか呼ばれる水の抵抗を大きくして船をゆっくり流すためのビックリドッキリメカを海に浮かべて釣りスタートだ。アマダイは船を流して広く移動しながら探っていく釣りらしい。

さっそく記念すべき一投目を投入しようとしたのだが、仕掛けを海に入れる前に早々と絡ませてしまってモゴモゴしている間に、早くも坂さんが今日一発目の魚、トラギスを釣り上げた。どうやら魚の活性は高いらしい。

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エサはオキアミ。
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いきなりトラギスゲット。


あわあわしながら私もどうにか仕掛けを投入。軽いオモリなので海底に着くまで結構時間が掛かる。糸は余裕で80メートル以上出ており、これを手で巻き上げないといけないと思うとちょっと気が重い。30号のオモリでも底がとれることを確認したら、1メートルほど仕掛けを巻き上げて、エサが海底から10センチ上を漂うように(あくまでイメージとして)誘っていく。

仕掛けを潮に馴染ませるとすぐにコンコンコンというアタリが先調子のカワハギ竿から伝わってきた。しかし、この釣りは初めてなのでどのタイミングで合わせていいのかよくわからない。水深が水深だけに空振りするとガッカリ度が高いのでちょっと待ってみると、ググっと本格的なアタリがきた。よし、今だと軽く竿を立ててあわせ、小さいリールの小さいハンドルをグルグルグルと巻いていく。

10メートル、20メートル、30メートルくらいまでは勢いで巻けるのだが、40メートル、50メートルとなってくるとリールを巻く右手の肩のインナーマッスルがだんだんピキピキいってくる。ここで巻く手を緩めるとバレる恐れがあるので「ウオー!(魚釣りだけに)」と叫び声を上げながら60メートル、70メートル、80メートルと巻き続ける。

はたして仕掛けの先には、食べ頃サイズのシロギスとホウボウがダブルでヒットしていた。お得! これで今日の夕飯は最低限確保だなと。

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シロギス。干物にしようか、天ぷらにしようか。
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ホウボウ。刺身にしようか、アクアパッツァにしようか。


うん、一回巻き上げただけなのに肩がもの凄い痛い。現役ラストシーズンの江川卓か。くそー、このリールだと80メートルとかを巻きとるのが辛すぎる。もう一回り大きいリールにすればよかった。肩のジョイントが熱を持ってきた気がするぞ。明日の筋肉痛決定だわ。

次々に釣れる外道達

いきなりのダブルにこれは本命アマダイも時間の問題だろうと思ったのだが、ここから怒濤の連発がはじまることになる。アマダイ以外の外道達が…。

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坂さんはトラギスを連発したので“虎ハンター”と呼ばれた。
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ヒメコダイという魚。美味しいらしい。


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ヒメコダイのダブル。アカボラともいうそうです。
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サバも何匹か釣れた。


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モゾモゾとしたアタリはカナガシラだった。
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二代目虎ハンター襲名。


トラギス、ヒメコダイ、ホウボウ、カナガシラ、サバといった沖釣りの定番外道達がいいペースで釣れ続ける。唯一釣れないのが本命のアマダイなのだが、それでも釣れるのはどれも食べておいしい魚達なので、なにが釣れてもけっこう楽しい。風も波も寒さも忘れて一心不乱に“アマダイ以外五目”状態を満喫。


今思えば、私にとってこの時が幸せの絶頂だったのです。

つづく


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