ボートでアジ釣りのはずがタチウオ釣り その1 [季節を遊ぼう!ゆる釣り部]

みなさん、釣りは好きですか? 釣りっていうと、いろいろな道具を揃えたり、仕掛け作りが難しかったりと、ちょっと面倒臭い遊びだと思われるかもしれない。実は私もそう思う。一匹でも多く釣るための張りつめた緊張感とかも大の苦手だ。
でも釣りっていうのは、それこそ魚の種類以上に釣り方があり、その中には気を張らないでできる“ゆるい釣り”もたくさんあるのだ。このコラムでは、そんな季節ごとのゆるい釣りとその周辺模様を紹介していきたいと思う。

text by 玉置 豊

あの興奮をもう一度

この前いった大津港からのボート釣り、あれはよかった。天気はいいし、海は穏やかだし、なんていったっていろいろな魚が釣れた。うん、やっぱり海のボート釣りはいい。しかし、心残りが一つあるんだよね。それはイシモチという魚が釣れなかったことだ。イチモツじゃないよ。

大津でイシモチの釣れるポイントは、私がこの前アンカーを落としたところからさらに2倍の距離を漕いだところにあり、自力でそこまで漕いでいく自信がまったくない。さりとてイシモチは釣りたし。あの魚はちゃんと血抜きして持って帰るととてもうまいのだ。

どうしようかなー、一人でいってもつまんないしなーっと迷っていたら、大津くん(仮名)というウナギ釣り場で出会った友人から、「最近、どうも体が鈍ってきたのでボートを漕ぎたい」という多少遠回しな釣りの誘いが来た。ナーイスタイミング。持つべきものは肉体派の友人。彼だったら安心してボートのエンジン役を任せられる。話はトントントンとパンダのようにまとまって、京急大津駅集合でボート釣りにいくこととなった。


早朝の京急線は釣り人ばっかり。

風が強い

「海は寒いだろうから、今日のために髪を伸ばしてきたんだ!」という頭髪1.5センチの大津君(普段は5ミリ)と駅で落ち合い、途中のコンビニで食料や氷を購入して海へと続く道を歩く。風はまあ少し吹いているけれど体勢に影響なしといったところ。

なのだが…

おや?

おやおや?

おやおやおや?

なんだか港へと一歩進むごとに風が強くなってきた気がする。

あれあれあれれれ?

我々が港に着く頃には、海から結構な風が吹いていた。ガーン。


大津君が短髪のため写真でわからないが、風があるのだ。

やばい。風はボート釣りの大敵である。ちょっとこの風だと海に出られるのか微妙なところなので貸しボート屋さんに聞いてみたところ、「まあ漕ぐのに自信があれば大丈夫だよ!」という、己の力を試されているような答えが返ってきた。己の力というか、僕は漕ぐ気がないので、この場合は漕ぐ大津くんの力か。

大津君との協議の結果、一人乗りならともかく、二人乗りの重いボートだと風があるとなかなかボートが進まないし、もし風が強くなって早上がりになってもつまらないということで、ボート釣りは中止することになった。

おしまい。








いや、おしまいじゃない

いやいやいや、おしまいじゃない。せっかく早起きして電車賃を掛けてここまで来たのに、ボートが出せないからって釣りを諦めるのは悲しすぎる。普通のボート釣り場だったらどうしようもないこの状況だが、大津港なら大丈夫なのだ。ここの港は7時以降に出船する乗合船がいっぱい出ている。手漕ぎボートは危険なコンディションでも、乗合船なら問題なし!


ということで、急遽乗合船に乗ることに。

実はこの「ボートが風でダメなので急遽乗合船」という流れは二年前にも一度経験しているので、慌てることなくすぐ隣の小川丸という船宿へ行き、タチウオ船に乗ることにした。あれ、確かその時も大津君とだった気がする。彼は「ギリギリボートが出せないくらいの地味な」嵐を呼ぶ男なのだろうか。なんて人のせいにしてみたりして。

いきなりタチウオ釣りといっても道具はボート釣り用しか持ってきていなかったので、タチウオ用の仕掛けだけ購入して、あとの道具は一式レンタル。最近の船宿は大抵レンタル道具が揃っているので、手ぶらでいきなりいっても釣りができるのだ。でも我々は使わないボート釣りの道具がいっぱいだ。ちょっと虚しい。

タチウオ目指して出船!

お借りした釣り道具を担いで小川丸の黄色い船に乗船。これから狙うタチウオという魚は水深80メートルくらいの深場を狙うので、リールは電動式をお借りした。憧れの電動リール、使うのは二人とも今回が初めてである。


「どうやんだこれは?」

ちなみに前にボートが中止になったときもやっぱりこの船宿からタチウオ船に乗ったのだが、その時は受付で「若いんだから手巻きリールだな!」といって手巻きのリールを渡された。そして今回、問答無用で手渡されたのは電動リール。選択の余地なし。…もう若くないっていうことか。まあ確かにあの時は20代だったけどさー。


やっぱりちょっと波があるな。ボート中止してよかった。

海から陸を見るのが好き。


釣り場に到着

港から20分ほど走ったところには、すでにタチウオ狙いらしき船が各港から集まって大きな船団を形成していた。ちなみにタチウオ釣りの船っていうのは、出航する港が東京でも千葉でも神奈川でも、結局同じ場所に集まって釣ることになる場合が多い。海は広いのにねえ。


白鶴まるのCMみたいな大船団。

タチウオの仕掛けは、でっかい天秤に100号のヘビーなオモリ、そして歯が鋭いタチウオに対抗するための長軸針をビニールパイプで補強した専用の二本針仕掛け。同じ魚釣りでもこの前のワカサギ釣りとはえらい違いである。チワワとチクワくらい違う。


強そうな天秤に強そうな釣り針。

オモリが重いんだ。




エサはゴマサバの切り身

マグロのトロみたいな脂。醤油かけて食べたい。


仕掛けを投入して釣りスタート

船が止まり、船長さんのかけ声にあわせて一斉に釣りスタート。イマイチ使い方のわからない電動リールのクラッチをオフにして、100号のオモリを海底まで一気に沈めていく。


竿が重いよう。

電動リール用の電源が船にはあるのね。


ジーーーーっと糸がでていき、オモリが底に着いた。着いたー!(イカ天グランドチャンピオンのたまのパーカッション風に)。リールに着いたメーターを見るとちょうど100メートル。深い。船長曰くタナは80メートル前後らしいので、手動で少しずつ糸を巻き上げながら、大きく誘いをいれていく。


100メートルっていったらカールルイスでも9秒かかるよ。

二年振りにやるタチウオ釣りだが、竿、リール、オモリ、全部重い。10メートル巻き上げるだけで疲れた。普段ビールの中ジョッキよりも重いものを持たないような堕落した生活をしているこの体には重すぎる。いやあ、リールを電動にしてよかった。ハンドル横のレバーをちょっと動かすだけで自在なスピードで仕掛けを巻き上げてくれる。ゆっくりと巻き上げながら誘ったり、一気に巻いてエサを変えたり、なにをやっても楽。素晴らしい。

実は今まで電動リールを使う釣りなんてつまらないんじゃないかと思っていたのだが、使ってみたらあっさりと考えが変わったよ。電動リール、楽だわ。手巻きだと巻き上げが面倒でエサをろくに変えないような釣りになりがちだけれど、これだったら何回巻き上げても疲れない。いやあ、食わず嫌いはよくないね。

しっかし二年前はちゃんと手巻きでこの深さを巻き上げていたんだよなあ。昔の自分はえらかったなあ。もう電動リールの楽さを知ってしまったら手巻きリールに戻れないわ。あはははは。

でもアタリがない

仕掛けを投入して30分経過。電動リールを使うのが楽しいので、こまめに巻き上げてエサを変えつつ、しっかりと集中して誘いを掛け続けているのだが、アタリがまったくない。私だけでなく船全体が低調である。まあ私の場合、正しい誘い方とかをよく知らないでフィーリングでやっているのだが。

飽きた。

いや、飽きちゃダメだ。釣れないときこそ集中しなくては。とは思うのだが、集中しても釣れない時は釣れないよねーっと手元がおざなりになってきたころ、ようやくアタリが来た。

…大津君にだけど。


なんかきたよー。

つづく


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