千葉県岩井海岸でカワハギ釣り その3 [季節を遊ぼう!ゆる釣り部]

みなさん、釣りは好きですか? 釣りっていうと、いろいろな道具を揃えたり、仕掛け作りが難しかったりと、ちょっと面倒臭い遊びだと思われるかもしれない。実は私もそう思う。一匹でも多く釣るための張りつめた緊張感とかも大の苦手だ。
でも釣りっていうのは、それこそ魚の種類以上に釣り方があり、その中には気を張らないでできる“ゆるい釣り”もたくさんあるのだ。このコラムでは、そんな季節ごとのゆるい釣りとその周辺模様を紹介していきたいと思う。

text by 玉置 豊


「ばんや」でお風呂に入ろう

雨が降りしきる中での釣りを早上がりしたのだが、カッパを着ていたのに中のシャツまでビッショビショ。なぜならカッパが安物だから。このままでは家に着くまでの車中で風邪をひき、クシャミをしながら「なんで雨の中釣りにいくんだよ!」「お前がカワハギ釣りたいっていったんだろ!」と責任を押しつけあう醜い争いが始まってしまう可能性が高い。まあよくあることだけれどそれはちょっと避けたいので、岩井から国道127号線を北上してすぐのところにある保田漁協直営の「ばんや」にやってきた。ここは食事や買い物はもちろん、うれしいことに24時間利用できる温泉(人工だけど)があるのだ。

濡れて冷え切った体を温めるにはカステラ一番、いや、お風呂が一番。満場一致でひとっ風呂浴びてから帰宅することにした。


温泉マークの下、「ハエ」ではなくて「人工」。

冷えた体には温泉が一番。


ここのお風呂はシュワシュワとした炭酸温泉で、ちょっと低めの温度に設定されたお湯が冷え切った体をじっくりじっくりと芯まで温めてくれる。さらに海藻が入った袋がぶら下がっているカジメ風呂もあり、ここでは若干ヌメヌメとしたお湯がネットリネットリと温めてくれる。あんかけ仕立てにされた気分。注文の多い料理店みたいだ。

お湯に肩まで浸かりながら、私はこの温泉の温かさを楽しむために、雨の中の釣りという修行をしてきたのだなと思った。巻き込まれた同行者達は堪ったものではないだろうが。

「ばんや」でご飯を食べよう

お湯に浸かって体が温まったら急激にお腹が空いてきた。それもそのはず、夜中に東京を出発してから今までの間、おにぎり3つと菓子パン2つと肉まん1つとチョコレート一箱しか食べていないのだ。あ、けっこう食べているな。

それでもやっぱり雨の中の釣りで腹が減ったので、ガッツリとアナゴ天重を注文。


アナゴ天重。アナゴでかーい。

鈴木さん(仮名)のキンメダイ煮付けを睨む森さん(仮名)。
まだ食べ足りないらしい。


でっかいアナゴが2本乗った天重が届いてから、「あ、ダイエットで揚げもの自主規制していたんだ!」と思い出したのだがまあ今日はいいか。カロリーとらないと風邪ひきそうだし。ここで冷えたビールも注文したいところだけれど、一番ビールが好きなドライバーの黒田さん(仮名)に悪いのでここは我慢だ。えらいぞ自分。って当たり前か。

フェリーに乗って帰ろう

ばんやを出たところで、鈴木さんが今晩もシーバスを狙いにいくということでここでお別れ。昨日の晩も雨の中シーバスを釣っていたというのに、どれだけ元気なんだこの人は。

そんな体力のない残りの4人は、釣った魚を料理する体力すら怪しいということで、これから黒田さん行きつけの寿司屋にカワハギを持って行く予約を入れた。

黒田さんの家はここ千葉県から見て東京湾の反対側となる神奈川県の横浜市。朝、岩井へ来た道を逆に、館山自動車道から首都高を抜けて神奈川へなんてルートをまともに走っていたら運転手さんがちょっとキツい。こんな時の強い味方といえばもちろん東京湾アクアラインなのだが、我々にはもっと強い味方がいたりする。

パララパッパラー(ドラ○もんが道具を出す効果音で)


東京湾フェリー!

ばんやからちょっと東京方面に走ったところにある金谷の港から、神奈川県の久里浜間を、わずか35分で結ぶすごいヤツ。それが東京湾フェリー。

噂には聞いていたけれど、今まで実際に乗る機会がなかったので、実は楽しみにしていたのだ。


船内は広くて結構ゴージャス。

海上の釣り船を見つけては睨みつける森さん。
まだ釣り足りないらしい。




天気がよければ気持ちよさそうなデッキ。

「あそこが釣れそうだ」と船内からチェックする黒田さん。


フェリー、すごいよ。雨は防げるし、風にも揺れない。さっきまで乗っていた釣り船に比べてなんと快適なことか。魚探付いてないけれど。そしてちょっと寝ていればもう神奈川県到着。うん、快適。2年くらいこれで通勤してみたいな。

釣った魚を寿司屋に持って行く

フェリーはちょっと寝ている間に金谷から久里浜まで着いてしまったが、黒田さんが運転する車も久里浜から横浜まで一瞬だった。起きていようと頑張ったのだが、気が付いたらぐっすり寝てしまっていた。ぜんぜん頑張ってない。
実は朝、岩井へと向かう車内でも寝ていたのはナイショだ。ところで黒田さんは一日にして東京湾をくるっと一周したんですね。

黒田さんの家に無事到着し、荷物を置いてとりあえず一休み。私は車中でも休んでいたけど。昼間に食べたアナゴ天重も無事に体脂肪へと変換終了したところで、みんなで釣ったカワハギと残念賞のイナダを持って寿司屋「大進※」へ。ここは予約さえしておけば釣ってきた魚を持ち込むことができる(もちろん有料)素敵なお店なのだ。前にアカエイを持ち込もうとしたら黒田さんの奥さんに止められたけれど。

※ただいま大進では、「ソネットみたよ!」の合い言葉で店主のスマイル無料キャンペーン中!


突撃、となりのお寿司屋さん。

必要以上の苦労をしてどうにか釣ってきた僅かばかりのカワハギを店主に託し、とりあえずビールで乾杯。突き出しに出てきたアサリはもちろんカワハギ釣りで余ったアサリ、ではないですよ。


アサリはカワハギだけじゃなくて私も好物。

釣ってすらいないイナダを捌いてもらう。恐縮。


魚を食らう

突き出しで一杯やったところで、もらってきたイナダのお造り、店主おすすめのキンメダイ、松輪サバの握りなどを食べて胃を落ち着かす。松輪のブランドサバはもちろん、今日はこのキンメダイが最高だった。皮と身の間の脂がシャリと絡んで口の中でハラハラと崩れていく。キンメダイの寿司はこの店以外で何回か食べたことがあったけれど、今日初めて美味しいと思ったよ。なんて意見は生意気ですね。


イナダは、イナダでした。

今日のキンメダイ、最高。


飲み物を日本酒に切り替えたところで出てきたのは、お待ちかねのカワハギの薄造り。もちろん我々が釣ってきた岩井産のカワハギだ。となりの添えられたタップリの肝が嬉しい。


ひゃっほう。

皿の柄が透けるほど見事に盛られた薄造りを箸で豪快につかみ取る。


贅沢に3枚いかせていただきます。

少量の醤油にたっぷりのカワハギの肝と山葵を溶かしてつくった肝醤油を薄造りの両面に絡ませる。薬味が生姜ではなくて山葵なのが大進流か。


この肝が、もう。

こいつを口の中に放り込んだら、はいガッツポーズ。


うまーい。

自分の手で食べ頃サイズのカワハギを釣った二人にのみ許される渾身のガッツポーズ。ちっこいカワハギしか釣れなかった私と手袋さん(仮名)にはあそこまで両の拳を振り上げることはできない。それが悔しい。でもカワハギは万人に平等に美味しい。


肝をつけないで身だけをポン酢で食べてもうまい。

でも肝だけを軍艦で食べるともっとうまい。




小さめのカワハギは味噌汁で。

車に船に運転しっぱなしだった黒田さんが轟沈。


一年ぶりに食べた、釣って活け締めにしたカワハギ、やっぱりうまい。とくに肝が圧倒的。今日は雨が降り続く悪コンディションだったけれど、こんなにうまいんだったらもっと頑張ってもっともっと釣ってくればよかった。風邪ひいただろうけれど。

よし、今度は天気のいい日にいって30センチオーバーのカワハギを釣り上げて、肝和え食べて力いっぱいガッツポーズしてやる。


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