千葉県岩井海岸でカワハギ釣り その1 [季節を遊ぼう!ゆる釣り部]

みなさん、釣りは好きですか? 釣りっていうと、いろいろな道具を揃えたり、仕掛け作りが難しかったりと、ちょっと面倒臭い遊びだと思われるかもしれない。実は私もそう思う。一匹でも多く釣るための張りつめた緊張感とかも大の苦手だ。
でも釣りっていうのは、それこそ魚の種類以上に釣り方があり、その中には気を張らないでできる“ゆるい釣り”もたくさんあるのだ。このコラムでは、そんな季節ごとのゆるい釣りとその周辺模様を紹介していきたいと思う。

text by 玉置 豊

晩秋といえばカワハギ釣り

寒い。このところ一日ごとに冷え込みが厳しくなっていくのを肌で感じる。もう全盛時の吉田栄作だってTシャツ一枚では身震いする季節の到来である。こうなってくると外に出て海や川で釣りをするのも億劫になるのだが、やっかいなことにこの寒い季節になってこそ美味しくなる釣り魚が多いのだ。

今日はこの季節に美味しくなる魚の筆頭、カワハギを釣りに千葉県の岩井海岸へやってきた。


これは去年釣ったカワハギ。こいつを釣るのだ。

カワハギという魚は一般家庭ではそれほどメジャーではないけれど、フグの親戚にあたる魚だけあって、その身は美しい白身でうま味が濃い。そしてフグと違って毒がないため、カワハギは肝を食べることができるのだが、この肝がもう絶品。肝に醤油を溶かした肝醤油で食べる刺身、そして肝だけを軍艦巻きにした寿司、食べた瞬間に満面の笑みでガッツポーズをせざるを得ない旨さなのである。さらに自分が釣ったヤツだったらもう最高。一口食べれば寿命がその旨さで三日延び、あまりの驚きに三日縮んでしまうという話もあるくらいだ。という話は今創ったのだが、それくらいうまいということだ。

その日は朝から雨だった

カワハギ食べたい。その熱く生臭い想いを胸に秘めた同士達総勢5名で岩井海岸まで来たのだが、その日はシトシトと冷たい雨が降る生憎の空模様。晴れる気配は一向にナシ。なぜ今日に限って。


せっかくのカワハギ釣りなのに雨。

天気予報によると、今日の降水確率は100%で、この雨は終日降り続けるという予想。そして出かける時点ですでに雨は降っていたのである。それでもカワハギが釣りたい食べたいという一心で皆ここまで来てしまったのである。これが運動会や遠足だったら間違いなく雨天延期である。

強風や高波だと危ないので船は出せないが、雨だったらカッパを着て我慢さえすればどうにかなる。風邪をひいてもそのうち治る。いや、風邪はひかなければいいのだ。バカは風邪を引かないっていうんだから、釣りバカだってひかないはずだ。こんなこといっているからバカっていわれるのだが。


特殊部隊みたいなフル装備。それでも寒い。

12年物のカッパに水が染みる同行者。


ちなみに貸船屋さんに聞いてみたら、今日は雨だからという理由でキャンセルしたお客さんはゼロだったらしい。釣り人ってやつは…

今日のゲスト紹介

今回、この雨の中カワハギ釣りに千葉までやってきてくれた物好き達、いや勇士達を写真左からご紹介。期せずしてカラフルだ。カワハギ戦隊カッパマンと呼んでいただきたい。


やっぱり勇士というか、単なる物好き達だよね。

一番左、カッパイエローは黒田イヘチさん(仮名)。横浜からわざわざ私達を車でピックアップするために葛飾経由で来てくれた素敵な方。普段はクロダイのヘチ釣りという渋い釣りをメインにやっている。その圧倒的に低い体脂肪率でこの寒さに耐えられるかが心配だ。ペットは猫とウナギ。

その右奥、カッパグレーは鈴木ルアーさん(仮名)。この人は昨日の夜から千葉に来ていて、夜中に雨がザーザーと降る中、腰まで海に入ってシーバス(スズキ)を釣っていたという猛者である。実は私にとって今日が初対面なのだが、最初の会話が「はじめまして。このズボン、チャックが開いていますが締まらないだけなので気にしないでください。」というものだった。男らしい。

カッパブルーは森ブダイさん(仮名)。数年前にウナギ釣り場で知り合った人なのだが、最近は釣り竿よりもモリを持って海に潜り、魚を追いかけ回している元水泳部。大きなブダイを突いた写真をわざわざ携帯に送ってきたりする。

紺と白のカッパツートンは手袋ピンクさん(仮名)。ピンクの手袋に白いサロペットが漁協のおばさんを思わせるコーディネート。釣り経験はブラックバスを少々囓っているらしいのだが、よく聞いてみたらリール竿にルアーじゃなくて、延べ竿に生きエサでのバス釣りだった。思ったよりワイルドである。

ちなみに私はカッパブラック。雨に濡れるとすぐに弱るジャミラ(ウルトラマンの怪獣)みたいな体質が特徴だ。

船に乗り込んで出発進行!

今日我々がおこなう釣りは、船を一艘チャーターして、それを自分たちで運転するという自由気ままな釣りである。我々がレンタルしたのは6人乗りの小型船。屋根もキャビンもトイレもない釣り専用のシンプル設計。こういうエンジンのついた船を操船するには小型船舶免許というのが必要なのだが、今回のメンバーでは黒田さんと私がその免許を持っている。

とはいっても、私は免許を取ってからまだ一回しか運転していない初心者なので、今日は雨で視界が悪いこともあり、ベテラン操縦士の黒田さんが船長さんとなった。私の操船だと危なっかしくてみんな釣りに集中できないこと請け合いなのだ。きっと遭難するか定置網に引っかかる。黒田さん、車の運転に船の操船にと大活躍である。

港で船に釣り道具を一式積み込み、出船前に貸船屋さんからカワハギのポイントを教えていただき、午前7時に他の船達から少し遅れて出船。


これが今日借りた船。かっこいい。

ポイント目指して出発進行!


船長である黒田さんは私達に少しでもいいポイントで釣ってもらおうと、地図、景色、魚群探知機の3つを見比べながら、貸船屋さんに教えていただいたカワハギが潜む根(海底の盛り上がったところで、魚が集まる場所)を目指して船を進ませる。


魚探を睨む黒田船長。

きわめて真剣な顔をした船長が船を止めて宣言をした。

「ここ、きっと激アツ!」

激しくアツい、略して激アツ。その一言に合わせて森さんが黙ってアンカーを入れた。

さあ、お待ちかねのカワハギ釣りの開始だ。

カワハギの仕掛けとエサ

カワハギ釣りをはじめる前に、ちょっと仕掛けとエサをご説明。仕掛けは市販のカワハギ専用仕掛け三本針で、その上に集魚板というなんだかキラキラした一足早いクリスマスチックなものをつけて、下にはオモリをつける。

カワハギは多くの世の男性達と同じく、キラキラと輝くものに寄ってくる性質らしいのだが、この集魚板にどれほどの効果があるのかはちょっと謎。つけなくたって釣れるときは釣れるのだ。でもつけないとなんとなく不安になるんだな。これはうちの母親にとっての磁気ネックレスとかに近い存在だ。効果はよくわからないのだが、していないと何となく不安になるっていうところが。


カワハギ仕掛け。変えハリス式がいいらしい。

船上のメリークリスマス。


この仕掛けにつけるエサは、アサリの剥き身がスタンダード。カワハギという魚がアサリの剥き身を普段から食べているとは到底思えないのだが、昔からカワハギ釣りのエサはアサリだと相場が決まっている。イイダコ釣りのエサがラッキョウであるならば、カワハギ釣りのエサはアサリなのだ。

カワハギという魚は水中で器用に停止ができる餌取りの名人。そのため、アサリの剥き身をカワハギ専用のハゲ針という針につける際は、カワハギにエサだけとられないようにつける必要があり、この方法がカワハギ釣りの重要なポイント。カワハギマニア達だったらこのアサリの付け方についての討論だけでご飯が3杯食べられるという代物なのである。わたしにはチンプンカンプンなのだが。


アサリの剥き身。築地で買ってきたよ。

アサリの付け方、正直よくわかりません。


仕掛け投入

エサのアサリをアバウトに付け終わったところで、仕掛けをカワハギが待つはずの海底へと投入。カワハギ釣りはエサ付けも大事なのだが、もう一つ大事なのが竿である。専用設計の竿が各メーカーからいろいろ出ており、これを選ぶのもカワハギ釣りの楽しみの一つなのだ。だが私が使う竿は今回もやっぱり阪神竿だったりする。だって高いんだもの。

ヒュルルルルーと落ちていったオモリが海の底を叩く。リールを3回ほど巻いて糸ふけをとったところで、さっそく竿先が軽く曲がった。


アサリをつけた仕掛けを沈めます。

いきなり来た!


よし、何かが掛かった!

つづく


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