釣った魚を無理矢理食べよう [季節を遊ぼう!ゆる釣り部]

みなさん、釣りは好きですか? 釣りっていうと、いろいろな道具を揃えたり、仕掛け作りが難しかったりと、ちょっと面倒臭い遊びだと思われるかもしれない。実は私もそう思う。一匹でも多く釣るための張りつめた緊張感とかも大の苦手だ。
でも釣りっていうのは、それこそ魚の種類以上に釣り方があり、その中には気を張らないでできる“ゆるい釣り”もたくさんあるのだ。このコラムでは、そんな季節ごとのゆるい釣りとその周辺模様を紹介していきたいと思う。

text by 玉置 豊

釣った魚を無理矢理食べよう

笑顔と半ズボンと魚取り網の組み合わせが日本一似合う坂さんと、あんま釣り、ガサガサとゆるい川遊びを堪能し、お腹がペコペコになったところで昼飯にすることにした。

釣り人のご飯といえば、もちろんこいつだ。


パララパッパラー(ドラ○もんがアイテムを出すときのテーマで)、釣った魚~。

はい、もちろん今日の昼ご飯のオカズはこの釣った魚達、ウグイ、アブラハヤ、オイカワです。魚屋さんには並ばない川魚盛り合わせ。当初の予定では、イワナ、ヤマメ、あわよくばアユが釣れて、美味しい塩焼きでウハウハの予定だったので、コンビニで白米を買っただけで、オカズになるようなものを一切用意していません。もちろん、私だけじゃなくて坂さんも同罪ということで、一緒に食べて頂きます。

味はともかく鮮度だけは自信がある胡散臭い小魚達、坂さんにウロコと内臓を取ってもらう。その間に私はこいつらを焼く火の準備。本当は流木でも集めて焚き火をしたいところだけれど、今のご時世だと焚き火が禁止されている場合が多いので、今日は卓上七輪を持ってきた。

これに着火剤を使って炭火を熾す。こいつで焼けば川原には全くのノーダメージという訳だ。アウトドアには七輪がトレンディ。しっかし普通サイズの七輪も持っているのに、わざわざ卓上七輪を持ってきているということは、たぶん私の潜在意識が出かける時点で“今日は大物が釣れない”と予測していたのだろうか。結果的にその予測はとても正しかったのだが、その時点で負け犬だぞ自分。


がんばれ料理長。

炭火がいい感じに燃えてきたところで、塩を振った小魚を金網に並べていく。うん、なんとなくちゃんとした料理に見えてきた気がする。今の時代が昭和40年代だったならばという注釈付でね。


食べてうまいのかこれは。

この見ようによってはフォトジェニックな食材を前に、坂さんのカメラマン魂に火がついた。今まで見たこともない真剣な表情でカメラを構え、七輪の上に並べられた小魚たちを激写していく。きっとカレンダーポスターとしても通用する、見事な写真が撮れただろう。カメラがコンパクトデジカメなのはご愛敬。


坂さん激写。熱い男だぜ。

下の写真が坂さんが激写したものだ。写真の右上あたりに適当なコピーを入れれば、そのままパンフレットや絵はがきとして使えることだろう。うん、カッコイイ。でも焼かれているのはウグイやアブラハヤなのでよく見るとまずそう。こういう“無駄なプロの仕事”というのが私は好きだ。


好きなコピーを思い浮かべて、頭の中で合成しよう。

普通の魚だったら持っている素材の持ち味をなるべく活かした料理法をするのだが、今回の場合、普通は食べないような怪しい小魚なので、素材の持ち味をなるべく消すようにとこんがりよく焼き、醤油をタップリと垂らす。醤油の焦げる香りが素晴らしい。

よし、これで“何を食べているのかわからない醤油味の香ばしい謎の食材”になったはずだ。


必要以上にこんがりと焼こう。

さっきまでピチピチしていた魚が安売りで買ったサイズの揃っていない煮干しみたいになったところで、すっかり冷え切っているコンビニの大盛りご飯に魚を並べて、さらにだめ押しの醤油を垂らす。うん、貧乏くさい。いや、こういうときはロハスだとかネイチャーだとかいっておけばいいのだろうか。

うーん、でもやっぱりご飯とおかずのバランスが江戸時代だ。いや、それ以下か。江戸時代だって味噌汁くらいついたよな。でもこっちは銀シャリだから総合力で互角かな。って江戸時代と比べて一喜一憂してどうする平成19年の私よ。

どうしよう、さっき網ですくった死んだアユ、やっぱり焼いて食べようかな。いやいやいや。


鯉のぼり風の盛りつけ。

でもいいんだ。どんなにひもじい食事だって。

だって坂さんがとっても楽しそうなんだもの。


最高の笑顔をありがとう。

楽しいお食事の準備が整ったところで、勇気を出してこいつをいただくとしよう。勇気を出さないと食べられない食事が楽しいのかは置いておいて。まずは早速メインディッシュの小魚の炭火焼きから。メインもくそもないけどね!


恐る恐るいただきます。

口に入れた途端に広がる炭火で炙られた醤油の香ばしい香り。念入りに焼きすぎたので焦げ臭いかなと思ったけれど、醤油のおかげで全然そんなことはない。堅くなったその身をかじってみれば、醤油と塩の味がする。そして遠くの方から川魚独特の風味が感じられた。

なんだ、食べられるじゃないか。

醤油の香ばしさ、強めの塩加減によって魚の持ち味が押さえつけられ、ちゃんとご飯のオカズとして成立している。懸念された魚の生臭さなどは皆無。いや、どちらかといえばうまい。遊びまくってお腹ペコペコだし。こんなに美味しいんだったらもっとキープしておけばよかった。


見た目は最悪だけれど、これがけっこう食べられるのだ。

今日一日の体験学習でわかったことはひとつ、醤油ってすごい。この一点に尽きる。

どんな食べ物でもご飯のオカズに変える素敵な魔法、それは醤油。それがアブラハヤでもウグイでもだ。日本料理は醤油がなかったらなにもできないという話を聞いたことがあるのだが、それを実体験として学んだ大変有意義な一日だった。


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So-net季節情報

LOP-LORANさん、コメントありがとうございます。
貴重なご意見として、今後のレポートに生かしたいと思います。
これからも応援よろしくお願いいたします。
by So-net季節情報 (2007-10-05 15:37) 

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